Flickrのリスクと安全に使うためのルール


米Yahooが提供している年額25ドルで容量無制限なフォトストレージサービス「Flickr」が超絶便利で、このブログでも何度か書いたとおり、かなり活用しています。

これまで撮影したすべての写真データはFlickrで一元管理しており、ハードディスクやDVDでのバックアップはしていません。もし、Flickrのデータが消失するすると多分絶望します。

そこで改めてFlickrのリスクを考えてみることにしました。

データ消失のリスクは極めて低い

Flickrは、GoogleやAmazonのWebサービスと同じくインフラとシステムの信頼性はかなり高い方です。システムトラブルによるデータリカバリについても、かなり作りこまれた仕組みを持っています。

しかし、今年の2月に1件ではありますが、スタッフの人的ミスでユーザーのデータを消失させるという事件が起きました。

Flickrが人的ミスにより利用者アカウントを削除:5年間分、4,000枚の写真が消失

データを復旧できないかもしれないという話もありましたが、最終的にこのユーザーのデータは完全に復旧できたようで、またこの事件をきっかけに削除したアカウントのデータを復元するための機能が実装されることになりました。

Flickr Restores Mirco Wilhelm’s 3,400 Lost Photos and Is Really, Really Sorry About That

元々、システムトラブルによるデータ消失リスクは極めて低く、さらに今回、スタッフの誤ったアカウント削除に対する対応が含まれたことでリスクはさらに低下しています。

よほど重要なデータでない限りはFlickrのみでの一元管理で、重要なデータがあれば別途ハードディスクやDVDで保存して置くとよいかと思います。

Flickr Community Guidelines 違反によるアカウント削除のリスク

もう一つ、Flickr Community Guidelines 違反によりアカウントが削除されるリスクがあります。

あからさまな違反を行うと、たとえ有料版を使っているユーザーでも、何の通告もなくアカウントが削除されるようです。

そのため、Flickrを安全に使うためには、Flickr Community Guidelines をきちんと理解してルールを遵守するということが必要になります。

Flickr Community Guidelines

Flickrコミュニティガイドライン 日本語訳

特に注意するべき3つのルール

Flickr Community Guidelines で特に注意するべきルールが3つあります。

外部ウェブサイトでFlickrの写真を使う場合はFlickrへのリンクバックが必要


外部ウェブサイトでFlickrの写真を使う場合はFlickrへのリンクバックが必要になります。これについては、外部ウェブサイトでFlickrの写真をそのままリンクさせる場合は、Flickrの機能でコードを生成しておけば間違いありません。

適切なコンテンツフィルタの設定


アップロードした画像には、適切なコンテンツフィルタを設定する必要があります。

Safety LevelとContent Typeの各項目の意味については、下記リンクのページを参考にしてください。

コンテンツフィルタって何ですか?

外部ウェブサイト用のグラフィックやバナーを保存してはならない

外部ウェブサイト用のグラフィックやバナーを保存するために使ってはなりません。これは最も重要なルールです。アカウントが削除された事例の多くがこれに違反しているようです。ガイドラインはきちんと読みましょう。

しかし、この項目については疑問が出てきます。以下が原文となるのですが、外部ウェブサイトでの写真以外の要素(non-photographic elements)の利用を禁止しています。

Don’t use your account to host web graphics, like logos and banners.
If we find you using your account to host graphic elements of web page designs, logos, icons, and other non-photographic elements on other web sites, we will warn you or delete your account.

Flickrでは、写真以外にイラストとスクリーンショットの保存も許可されていますが、厳密に受け取れば、写真以外の要素であるこれらはブログなどの外部ウェブサイトでは利用できないということになります。

ただ、そういった使い方は広く見かけるのと、Flickrがそれらを警告した事例をまったく見たことがありません。

正直どういう扱いなのかがわからなかったので、Flickrに直接聞いてみることにしました。

外部ウェブサイトでのイラストとスクリーンショットの利用について、Flickrの回答

Thank you for contacting Flickr Member Support.

Yes, you can upload any photos, illustrations, and other content that you created yourself to Flickr to share it with other members of the community and on your blog.

If you upload Illustrations, Screenshots or other non-photographic content, please make sure to apply the correct image filters to the content. You can find more information on this in the FAQ:

http://www.flickr.com/help/filters/#256

「自分で作ったコンテンツであれば掲載してもいいよ。ただし、適切なコンテンツフィルタを設定してね。」ということで、外部ウェブサイトでのイラストとスクリーンショットの利用はOKでした。

ルールを適切に守る限り、Flickrはかなり安全に使えるサービスだと思います。

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