ペーパレス化はなぜ失敗するのか

ペーパレス化で作業効率が下がる

2000年頃からペーパレス化という話をよく聞きますが、その成功例は多くありません。紙をデータ化したからといって作業効率が上がるとは限らず、逆に作業効率が下がるケースの方が多いのです。

その原因は主に二つで、一つは作業者のITレベルの問題です。ただし、こちらはペーパレス化を進める際には誰もが想定する課題であり、大抵は必要な教育研修が計画・実施されることから大した問題にはなりません。

ペーパレス化が失敗する一番の原因は、もう一つの作業領域の問題にあります。

データ化により作業効率が33%低下

そもそも、データ化した書類はどのように利用されるのか。その大半は、何らかの書類を参照しながら別の書類を作成するまたは何らかの作業を行うという形で利用されます。

この場合、紙の書類であればデスク上に1枚でも複数枚でも並べて参照しながらPCで作業ができますが、データ化した書類の場合はPCで表示するため、その分肝心の作業領域が狭まります。

多くの企業では、17~19インチのディスプレイが1枚という環境で作業を行っているため、書類を表示しながら同時に作業を行う場合、書類の表示だけでおおよそ半分もの画面を使うことになります。

画面の領域(解像度)が2倍になると作業効率は約33%向上するため、この場合は逆にそれだけ作業効率が低下することになるのです。

書類を保管する物理的スペースが不要になる、検索により必要な書類にすばやくアクセスできる等の利点を勘案しても、メインの作業で作業効率が33%も低下すれば、総合的に見てマイナス要素の方が大きくなるため、ペーパレス化を進める意味はありません。

それにも関わらず、このような当たり前の課題をペーパレス化を進めようとする担当者もベンダーも認識していないことが多い、もしくはベンダーはその課題に気づいていても、システムを売り込む立場であることから、そういったネガティブな情報を出さないため、実際にペーパレス化を進めて失敗してみるまでその重大な課題は顕在化しません。そのため、多くのケースにおいてペーパレス化は失敗するのです。

大画面やマルチディスプレイ化は必須

もし、本気でペーパレス化を実現したいのであれば、まずはディスプレイ上に十分な作業領域を確保しなければなりません。

そのためには、大画面ディスプレイの採用や、ディスプレイを追加して2枚以上で利用するマルチディスプレイ構成が必須と言えます。

ペーパレス化を進めなくとも、先ほどの画面領域が2倍になると作業効率が約33%向上するという点より、業務用PCでの大画面ディスプレイの採用やマルチディスプレイ化は強く推奨します。

特に最近では、24インチ以上のディスプレイも3万円ほどで購入できるため、費用対効果が極めて高く、もし、現在19インチのディスプレイを使っていて、これを24インチ2枚の構成に変更した場合は、作業効率は約84%も向上し、十分な作業領域が確保されたことでデータ化された書類もストレスなく扱うことができます。

しかし、これだけではペーパレス化の阻害要因を解消しただけで、まだペーパレス化の成功には届きません。長くなるので続きはまた次回。

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